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道後山駅など無人化 岡鉄局が9月から 赤字の芸備線合理化で

  • 執筆者の写真: 小鳥 原
    小鳥 原
  • 2024年9月14日
  • 読了時間: 2分

【岡山】赤字路線の芸備線合理化をすすめていた岡鉄局は1日、9月1日から同局管内の塩町(広島県)-備中神代(岡山県)間20駅のうち9駅を無人化、貨物取り扱いを9駅から3駅に集約することを決めた。

無人化されるのは坂根・市岡・野馳(以上岡山県)・道後山・比婆山・平子・七塚・山ノ内・下和知(以上広島県)の9駅。すでに内名・備後三日市の2駅は無人化されており、全部で11駅が無人化されることになる。貨物取り扱いが廃止されるのは矢神(岡山県)・備後八幡・小奴可・備後落合・比婆山・下和知(以上広島県)の6駅。

同局管内の同線の1日の平均乗客は40年7200人だったのが、45年には5200人に激減。今度無人化される道後山駅で1日平均69人・平子駅67人・七塚駅60人で、そのほとんどが通学などの定期客。貨物取り扱い量は1日平均1100トンで、うち廃止される6駅の合計が100トン前後という状態。

このため同局の営業係数(100円の収入に対する費用)は、45年424だったのが昨年は448にまで悪化している。同線の広鉄局管内の広島-塩町間は昨年12月に合理化に踏み切っている。

過疎に拍車と沿線市町反発

この計画について県北の沿線市町は最近、岡鉄局からそれぞれ連絡や説明を受けたばかりだが「過疎化にますます拍車をかける」と一様に反発を示している。

比婆・道後国定公園の玄関口に当たる道後山駅・比婆山駅を持つ比婆郡西城町の智木田穣町長は「両駅とも"山"のつく珍しい駅のうえ、シーズンには登山客の乗降は多く、平素の利用減だけで決めるべきではない。また備後落合駅の貨物扱い廃止も木材などの出荷には困る」と話し、高尾七郎東城町長は「小奴可駅の貨物廃止は延期を陳情する。ここの扱いを廃止されると、現在駅のそばにあるチップ工場やライスセンターから大型トラックで国道に出られないのでチップや米の輸送がたちまち困難になる」と難色。

また庄原市の中川繁尚市長は「6月中旬に岡鉄局を訪れて無人化反対を申し入れたが、今後は県の協力を求めて関係市町と反対陳情を続ける」と渋い表情だった。

中国新聞県北版1972年(昭和47年)7月2日付

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