去る24日下り15時40分発列車待合せ中この日野球大会に参加した近郊国民学校児童も同列車乗車のため構内に入ってきたが、このため駅構内はこれら国民学校児童によって埋まりしかも騒声・乱舞は甚だしき限りをつくし一般乗客は待合室の外周に押し出されて怨喜こもごも態。附添の先生は何ら手を加えるでもなく又当時刻勤務駅員の腕章に整理員とつけたのがいかめしく立ち表われてはいたが整理はおろか改札すら出来ず列車入構時乗客は列を乱して横合い各所から飛び出し発車間際漸く乗車した始末。再建日本を背負う等二の国民の教育方針には、いずれにしてもこうした場合の整頓・秩序が望ましい。他人に及ばず迷惑、こうした道徳観念に立項した教えこそ教育の全霊ではないか。この様に児童に対する先生の無関心、或は乗客に対する駅員の無関心その度合に於て余りにも徹底しすぎては居るまいか?
北備時報1946年(昭和21年)12月3日付