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タヌキの親子、毎夜"出勤"―備後落合駅 駅員も触れ合い楽しむ―

  • 執筆者の写真: 小鳥 原
    小鳥 原
  • 2024年6月26日
  • 読了時間: 2分

【東城】広島県比婆郡西城町の備後落合駅(梅林靖駅長)のホームに、タヌキの親子6匹が毎夜出没している。駅員も食事を与えたり「タヌキ日誌」をつけるなど、すっかり"夜勤職員"の扱いにして、人と動物の触れ合いを楽しんでいる。

同駅は芸備・木次両線の接続駅で1日36便の列車が発着する。午後7時以降は最終便の10時40分まで30分から1時間の間隔で6便が発着するだけ。その間の静寂を狙って裏山からタヌキが現れるようになった。最初は5月1日に1匹、続いて2匹になり、体格から察して夫婦の感じ。駅員らは弁当の残りをホームの隅に置いてエ付けを試みた。警戒心の強いタヌキも徐々になれ、食事をねだって、時には事務室をのぞき込むほどになった。

6月下旬には雌のおなかが大きくなり、駅員は二世誕生の期待に心わくわく。7月8日、4匹の子ダヌキと一緒に登場した時には、駅員は拍手で喜び合った。

発見時からタヌキ日誌も欠かさずつけている。徐々に人になれる様子、出没時間が遅いときや匹数が少ないときの心配、食事の内容などを記録し、まるでわが子の育児日記のよう。

今では近所で評判になり見学者が訪れている。旅行中の東京の若者グループは「自然の中のタヌキを見るのは初めて」とカメラのシャッターを押し続けた。一つ心配なのは11月15日から、裏山の禁猟区が解除になること。梅林駅長は「エ付けをしたことが野性を失わせ、犠牲になった場合、人がタヌキを裏切ったことになる」と悩んでいる。

中国新聞夕刊1985年(昭和60年)9月3日付

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